リスティング広告指名KW対策、紳士協定とは?

この記事は約5分で読めます。

リスティング/検索連動型広告の指名検索KWは、ある種必要悪な面も強い広告出稿です。
もちろん、広告経由の獲得効果として無類の獲得効率を誇るのですが、一方で、それ、別に広告けいゆではなく自然検索経由でも来るはずだった人をわざわざお金をかけてとっただけじゃないの?という指摘に反論できるだけの材料をそろえられるかどうか・・・

こんかいは、リスティング 指名KWへの広告出稿のうち無駄コストをいかに減らすか、についてかんがえていきます。
合わせて、よく使われる紳士協定についてもご紹介します。

リスティング 指名KWとは

そもそも指名系KWとは何か

指名KWとは、自社にとっての、自社の商品やサービスの名称のことを指します。
キリンにとっての一番搾りやキリンホールディングス、トヨタにとってのトヨタやプリウス等です。

指名系KWとよぶのは、指名KWの掛け合わせを含むためです。
一番搾り リニューアル、プリウス アクア 比較・・そんな、指名KWを含む検索を、指名検索と呼んでいます。

自社に関する指名検索、ですので、その行動をとる人は当然、指名検索できること=商品やサービスを認知しています。
かつ、わざわざ指名KWで検索していくれている状況をかんがえると、比較的モチベーションの高い人である可能性が高い、とも言えます。

指名検索してくれている人たちは何としても刈り取りたい、その反応はただしいです。

なぜ指名KWにリスティング出稿するのか

指名KWで検索してくれているので、当然、自社の商品やサービスについて知りたいと思っています。
そのKWの掛け合わせが、「比較」や「口コミ」など、自社サイトではなく外部サイトのほうがふさわしい可能性があるものでない限り、指名KW検索者は自社サイトに来たいと考えてくれている人ととらえることに不都合はありません。

そんな、自社サイトに来たい人たちを誘導するために、なぜリスティング広告を出稿刷る必要があるのでしょうか?

詳細は下記記事にまとめていますが、
・競合や他社が出稿しているので流出を防ぎたい
・異なるLPに飛ばすことで最適なブランド体験を提供したい
のいずれかであることが多いです。

ブランド体験最適化(自然検索では最適なリンク先が出てこない)であれば、それは必要な投資・コストなのですが、他社が来ているから対応せざるを得ない、というのは必要悪、本来であれば避けたい投資の1つといえます。

無駄コストを抑えるために

何が無駄コストとして発生しうるのか

自社指名KWに他社が入札してきている、ですので、それをつぶす=流出を防ぐために自社指名KWでリスティング広告を出す

その様な状況において、発生する無駄コストにはどのような種類があるのでしょうか。

まず第一に、他社が出稿してさえこなければ自社も出す必要性は極めてひくいわけです。
つまり、指名検索への広告出稿そのものが無駄である、といえます。

次に、その全体が無駄な指名検索について、他社がにゅうさつを強めてくる際に自社も入札を強める必要がある、という状況も発生します。
入札CPCを上げざるを得ず、ただでさえ無駄なコストにさらに無駄コストが追加される、そんな悪循環です。

さらに言えば、もしSEO対策にお金をかけている場合、リスティング広告出稿で相対的なSEO重要度は下がりますので、そこもむだこすとあつかいされる可能性があります。

いいことが一つもありません。

無駄コストを抑える紳士協定とは

無駄コストについて考えてみると、諸悪の根源は、他社が入札してくるせい、です。
自社KWへ他社入札させなければいい、そんな思いがよぎります。

が、プラットフォーマーが提供するシステム上、KWの独占のような操作をすることはできません。
また、おなじ業界のいくつかのクライアントを同じ広告代理店が持っていたとしても、公告代理店の中で調整してもらう、なんてこともできません。

できるのは、広告主同士の話し合い、すなわち、紳士協定のみです。

紳士協定それ自体にきまった型があるわけではありませんが、大前庭、お互いの会社が紳士協定を結びたい/結んでもかまわないと思っている必要があります。
即ち、著しくパワーバランスが崩れている場合(スタートアップvs超大手)や片方しか不利益を被っていない場合には協定は結びづらい傾向があります。

まずは、自社指名KWに入札してきている会社をリストアップします(KWの競合インプシェア、で簡単にわかります)。

リストアップした会社をチェックし、広報部宛に”うちの会社も貴社指名KWへ入札することもできるがしていない。自社KWへの入札はお互い控えないか”という打診をいれます。

打診がうけいれられればそれでいいのですが、受けいれられない場合、その会社の指名KW・自社にとっての一般KWへ、クリティカルなクリエイティブで入札をおこないます。

1-2週間後、改めて連絡を入れます。
その際、貴社KWでの獲得効率は極めて高い傾向にあった。ビジネス成長だけを考えるのであればつづけたほうがいいのだが、貴社プロモーション活動の成果を掠め取っている状態は健全ではなく、また業界として生活者への情報デザインが誤っているとも考えており、つきましてはお互いに指名KW入札やめませんか。
といった内容で、みんなのためを思っている感をアピールするのがとくさくです。

現場同士の話し合いで解決しない場合、上層部へのエスカレーションをおこないましょう。
その際に必要なのは、
・相手に入札をやめさせることで無駄コストがいくら減るのか試算
・そのコストをつかえば獲得がいくら増えうるのか試算
・相手の指名KWでの実績(自社指名KW・その他一般KWなどとも比較)
です。ビジネスインパクトを示したうえで、業界として動いてもらえるよう働きかけましょう。