企業勤めからフリーランスへ転進する際、またフリーランスとして活動中にも、ありがたいことに、それまでお付き合いのあった人たちから継続的なお仕事をいただいて過ごしていました。
その人間関係は本当に得がたいもので、私にできることやパーソナリティを十分知ってくださっている人たちでもあり働きやすい環境であったのは間違いないのですが、
そればかりでは錆びついてしまうのでは
そんな危機感ももちつづけていました。
今回は、そんな思いで登録したとあるフリーランス仲介サービスで体験した奴隷契約の話をしつつ、まっとうな契約を結んでくれる仲介業者を紹介します。
契約の穴に気づけなかった話
フリーランスにとっての契約の穴とは何か
何をもって穴だと判断するのか、その基準はさまざま有ると思います。
・安い賃金
・長時間拘束
・契約と異なる労働環境
・身体的な制約(軟禁、暴力・・)
・精神的な制約(罵倒、泣き落とし・・)
・作業の自由度が極めて低い
さまざまな要素があり、その一部でも当てはまればそれは奴隷の仲間なのかもしれません。
ですので、世にいうブラック企業で働く人たち、あの人たちもいわゆる”穴にはまった奴隷”、そんな見方もできます。
フリーランスの世界は、自分の持ってるものを部分的に切り売りしていくのが基本です。
※もちろん業務途中や業務を通じた経験で自身が高みへ登っていく、ということもありますがそれはフリーランスが提供する価値ではありません。
切り売りですので、買ってもらう必要があります。
それが、業務委託契約(多くの場合準委任契約)です。
穴のある契約とは、単純に契約の条件が理不尽なこと、ではありません。
単純に理不尽なだけであれば、契約を結ばなければいいだけの話だからです。
契約を結んだ後に、後出し条件(契約書には含まず、ぎりぎり契約書の中で収まるラインを攻めてくる)を課されること、それが穴なのです・・。
あのときこう言いましたよね?
でもそれは契約書には書いてないので。
・・そんな契約でした。
わたし結んだ穴のある契約
要点は、たったひとつ。
初月が働き放題(異様に単価が安い)契約だった
ただそれだけです。
契約条件自体は初月を除き一般的なもので、月oo時間稼働目安・月額報酬oo円、でした。
当時は週1稼働案件を求めていたため、月40時間稼働にて調整いただきました。また月額報酬についても事前に他案件の金額感もお出しし、足りる・足りないという話で詰めたうえで決めています。
ですので、基本的に稼働については報酬含め問題ないと思ってました。が、初月については特記事項がありました。
契約書の文面ですが、ざっくり
本業務が月の中途で開始された場合、業務委託者は業務受託者に対し、受託者の稼働日の日割りで算定された委託料金を支払う
と記載されていました。
契約は20日に結ばれ、月末まであと11日、という状況で、
わたしの解釈
月4日稼働前提なので4日をどうにかうまく詰め込めばいい
契約書ベースの解釈
1か月の報酬を稼働日数で日割り(月4日稼働が前提ではない)
&だからこそ11日全日程働いてほしい(休むな)
だったようで、認識に齟齬がありました。
お金の話で言えば
わたし:初月稼働4日、満額請求
仲介業者:13%(4/30)稼動なので13%分しか払いません
稼動の話で言えば
わたし:4日間の作業内容ですが~
クライアント:残りの7日はなんで稼動してないのですか?
というやりとりがあり、発覚しました。
仲介業者にその意思があったかどうかはともかく騙された感が強く、また、クライアントからは”それを承知で引き受けたのではないのか、働いてないのと同じだ”と宣告され・・
縁を切るお勉強代金としては安いな、と思い、初月無報酬で働いてきました。
奴隷の穴から得た学び
反省点は3点あります。
契約書をよく読まなかったこと、まずこれが大問題でした。
細かい字でいろいろとかいてあるのですが、上から下までしっかり読んだうえで、疑問点があればぶつけるべきでした。
良く引っ掛かりやすいのが報酬と労働条件、守秘義務、勤怠場所、成果物の扱いだそうです。不利益がないか、しっかりチェックしましょう。
また、クライアントとの相性も重要だなと再認識しました。
思えば面接段階から高圧的な態度がちらほらみうけられたのですが、企業勤め時代からそのような人種とは幾度となく対峙してきたので特に気にしていませんでした。が、それは企業の看板や裏にいる上司の存在に守られていたということを痛感しました。
フリーランス、弱い立場です。自分を守るために、変な人とは付き合わないように心がけましょう。
くわえて、初速頑張らなければならない意識を強く持つべきだと痛感しました。
初対面案件では、契約云々はさておき、最初にパフォーマンスを示さない限り案件継続しないリスクも存在します。それは面接は見抜けなかった使えない人材を切るために雇う側に必要な手段ですが、それゆえに、特に最初は大切に入るべきでした。
安全なフリーランス仲介業者
結果的にわたしが嵌められた業者ではなく、まっとうな業者さんを紹介差し上げます。
SOKUDAN
よくお世話になっている会社さんです。
エンジニアはもちろん、マーケター案件もある程度そろっています。コーポレートの案件もありますね。広いです。
マーケター案件にしても、よくあるようなWebマーケター(という名の運用者やSEOディレクター)募集はもちろん、PMとして入れるような案件まで、比較的上流案件も流れてきます。
単価感で言えば、3,000-4,000円/時間の、いわゆる”Webマーケター”向けのものから、単価20,000円/時間クラスのものまで、本当に幅広いです。
かつ、単価感が高いものであってもゴリゴリのコンサル出身者を求めているようなものではなく、データもわかるマーケター、経営もわかるエンジニア、そんな複数領域に強みを持つような人材が求められているのも特徴です。
裏がないおいしい話、これが普通だと信じたい・・・
DYMテック
公開されているマーケター案件はさほど多くなく、また公開案件の単価感はそれほど期待できるところではないのですが、非公開案件や担当者から直接紹介いただく案件がおいしい会社さんです。
なぜかスカイツリーとコブシが重なっているバナーで、意図がいまいちわかりませんが・・
ご紹介いただいた案件では、
マーケティングプラナー(Web広告・データ分析・クリエイティブの3者を統括するポジション) 週4稼働160万円
Webコンサル(既存運用代理店の運用状況チェック/ディレクション・運用レポーティング/ダッシュボードディレクション) 週3稼動 120万円
など、まあまあの高単価感でした。
案件についても紹介してくださった背景や期待値など事前に知ることができ、スムーズにすすめやすい会社さんです。
なお噂ですがDYMテックさん、凄腕飛び込み営業マンがいらっしゃるようで・・
上場企業の決済担当者に平均1日2件、多い日は5件もアポをとり案件を稼いできているのだとか。
もちろん2回目の訪問や横部署紹介などもあるのでしょうが、それでこの案件の質が保てるのか、と噂を信じてしまいそうになる自分がいます。
SCB/Strategy Consultant Bank
前述の2社とはスコープが異なり、より上流にフォーカスした仲介サービスがStrategy Consultant Bankです。なまえのとおり、コンサルタントがアサインされやすい案件を多数扱っています。
その案件も、高単価の戦略・業務案件が中心です。上流案件ですので企業もかなりお金を払っています。
案件紹介スタイルですが、基本的に紹介待ち、です。SCBの担当者=コンサル出身者が案件を紹介する仕組みでして、自分から攻められないのはやや難点ですが、それでも十分な案件を紹介していただけます。
また、比較的高稼働案件が多め、という印象もうけます。
もちろんこういった、稼働控えめ単価高めの案件もないことはないです。が、基本60%、できれば80%以上が確保できているとマッチングの幅が広がるかと思います。
おわりに
フリーランス、どんなにビジネス知識やスキルがあったとしても、契約上の立場は弱めです。
いい人ばかりではなく、搾取しようとしてくる立場・人たちはたくさんいます。
自戒を込めて、気を付けましょう。